循環器装置管理の標準化班













被ばく管理委員会

1997年4月〜2006年3月 活動終了(活動方法を変更)したワーキンググループです。

名 称 : 被ばく管理委員会
委員長 : 加藤京一 (昭和大学藤が丘病院)
委 員 : 田島 修 (埼玉県立循環器・呼吸器病センター)
    : 佐藤久弥 (昭和大学横浜市北部病院)
    : 塚本篤子 (NTT東日本 関東病院:渉外担当)
    : 坂本 肇 (山梨大学医学部附属病院)
※前委員 : 中村公行 (昭和大学病院)
     : 植木淳子 (石心会 さやま総合クリニック)
     : 中谷 麗 (東京逓信病院)

(活動実績)
◆ 被ばく低減への放射線技師の関わり方 : (論文)循環器画像技術研究 No.27-2 2009年9月
◇ 循環器放射線診療に携わる放射線技師の役割 : (シンポジウム)第253回循環器画像技術研究会 2009年3月
     被ばく低減への放射線技師の関わり方
◇ カテーテルスタッフの教育を目的とした循環器被曝低減技術セミナーについて : (口述)第19回日本冠疾患学会学術集会 2005年12月
◆ 「循環器被ばく低減技術セミナー」の紹介とWorking Rangeの作成 : (テーマ発表)全国循環器撮影研究会誌 2001年
◆ 
IVRにおける被曝線量低減の教育活動 : (論文)日本放射線技師会雑誌 2000年11月

(活動報告)
◇ 2005年度、 2004年度、 2003年度、 2002年度、 2001年度、 2000年度、 1999年度


2005.12.09 第19回 日本冠疾患学会学術集会 報告
(口述) カテーテル検査室・集中治療におけるコメディカルの役割

カテーテルスタッフの教育を目的とした循環器被曝低減技術セミナーについて

全国循環器撮影研究会
報告者 : 田島 修(埼玉県立循環器・呼吸器病センター)

[目的]
 現在のカテーテルインターベンションにおいては、被曝線量低減技術の実践は必須となっている。われわれは1999年に循環器画像技術研究会(東京)によって、コメディカルスタッフを対象とした第1回循環器被曝低減技術セミナーを開催した。2001年からは全国循環器撮影研究会の主催となりそのセミナーを全国に展開し、現在までに8回のセミナーを開催している。
 今回は循環器被曝低減技術セミナーについて現況と将来を報告する。

[現況]
(1) セミナーは年間数回、1日終日、全国各地にてその地域の推進母体を中心に行われている。
(2) 参加職種は診療放射線技師、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師およびX線装置メーカ担当者である。
(3) セミナーは多数の論文等より全国統一テキストを作成し、各担当執筆者が毎年改定している。
(4) 内容は放射線の人体への影響、X線装置による被曝低減法、線量測定法、X線防護用具、品質管理、法令関連、大量被曝の症例および放射線生物学の専門医による講義であり、測定実習等も開催地により盛り込んでいる。
(5) 内容に関するアンケートを毎回終了時に行い、次回以降に反映させている。また、セミナー修了者には認定書を発行し延べ300人を超えている。
[将来]
 このセミナーを継続・発展させ、多数の被曝低減技術者を育成し、カテーテル治療を側面から支援する。さらに関連学会等と協議し、循環器撮影専門技師(仮称)の認定に寄与できれば良いと考えている。



(テーマ発表)全国循環器撮影研究会誌 NO.13 42-43頁 2001年

患者本位の医療を目指して <循環器検査領域での取り組み>
テーマ1 患者被ばくについて
「循環器被ばく低減技術セミナー」の紹介とWorking Rangeの作成

循環器画像技術研究会
田島 修(埼玉県立循環器・呼吸器病センター)

はじめに
 医療被曝、特にIVRによる皮膚障害が学会等で報告されている昨今においては、被曝線量低減の仕事は我々の責務であり、その啓発活動を続けなければならない。循環器画像技術研究会では1986年のシネ撮影系の実態調査班につづき、1998年にIVRの普及に伴う循環器検査における患者・術者の被曝線量の増大を抑え、低減する具体的な技術方法及び防護指針を明確にするため「被ばく管理委員会」を結成した。委員会では学会、研究会等で発表された文献を集大成し、その中から (1)X線装置による被曝低減法 (2)X線防護具による被曝低減法 (3)被曝線量測定法 (4)被曝の症例 (5)QC・QA 以上の5項目についてわかりやすくまとめた。それらの報告をテキストとして発刊し、診療放射線技師、看護婦、MEを対象にして「循環器被ばく低減技術セミナー」を開催し、教育、指導、啓発に取り組んでいる。

まとめ
 我々放射線技師に求められているのは、
1) すぐに実行するフットワークの良さ
2) 継続し続ける持続力
3) 被曝低減についてリーダーシップをとること
である。
 管理や知識の不足で放射線障害を増やすことのないよう学び、教育し、啓発につとめ、IVRによる放射線障害が無くなるようにメーカーやカテーテルスタッフとともに努力しなければならない。

(資料請求、お問い合わせは全循研事務局へ zenjunken@yahoo.co.jp



(論文)日本放射線技師会雑誌 第47巻 第11号 1849-1862頁 2000年11月

IVRにおける被曝線量低減の教育活動
Educational activities regarding exposure reduction in Interventional Radiology

循環器画像技術研究会
田島 修(埼玉県立循環器・呼吸器病センター)
矢部 仁( 同 )
加藤京一(昭和大学病院)
植木淳子(石心会狭山病院)
中村公行(昭和大学病院)
中谷 麗(東京逓信病院)
若松 修(NTT東日本関東病院)、佐藤次男(千葉県循環器病センター)、中澤靖夫(昭和大学病院)

Abstract
[Background]
 As interventional radiology (IVR) has became widespread recently, skin injury caused by exposure to radiation have been reported in academic meeting. and are a major concern in academic circles. In 1986, The Japanese Society of Circulation Imaging Technology (CITEC)'s organized a group to engage in an actual condition survey on cineangiography. We have studied exposed doses to patients in the event if cardiac catheterization using ancate data available in Japan and made efforts to spread methods of reducing exposure doses through academic meetings and medical journal. In 1998, weset up the Radiation Exposure Control Committee. The committee's objectives were to reduce ecposure doses to patients and operators during cardiovascular examinations, and establish concrete of technical methods and protection guidelines for exposed doses reduction.
[Methods and Results]
 We have studied presentations at academic meetings and study meetings, etc., and classified the results into the following 5 categories: 1) methods of reducing radiation by X-ray equipment, 2) methods of reducing exposure using X-ray protection devices, 3) exposure dosimetry, 4) clinical cases of radiation exposure, and 5) QC, QA.
[Conclusions]
 The committee issued a textbook based on the reports and have educated, guided and enlightened radiological technologists, nurses and ME by holding the "Seminar for reduction technique of radiation exposure in circulator organs."

INTRODUCTION
 With recent advances in catheterization techeniques and popularity of IVR, exposure of patients as well as operators and stuff has became a major problem. Our objectives are to develop new techniques for reducing radiation exposure, and to educate people in their use.





2005年度 被ばく管理委員会 活動報告

全国循環器撮影研究会主催 第8回循環器被ばく低減技術セミナー 開催報告

報告者 被ばく管理委員会委員長 加藤京一(昭和大学藤が丘病院)

日時:平成17年9月3日(土) 10:00〜16:00 受講者57名
場所:NTT東日本関東病院 4Fカンファレンスルーム

第8回被曝低減技術セミナー プログラム
  10:00〜10:30 放射線の人体への影響(田島:埼玉県循環器・呼吸器病センター)
  10:30〜11:OO X線装置による被ばく低減(塚本:NTT東日本関東病院)
  11:00〜11:30 X線防護用具(佐藤:横浜市昭和大学北部病院)
  11:30〜12:00 品質管理(加藤:昭和大学藤が丘病院)
 12:00〜13:00 昼食
  13:00〜13:30 法令関連(佐藤)
  13:30〜14:00 症例(田島)
  14:00〜15:00 講演「大量放射線被ばくの臨床と病理」東京大学 中川恵一 先生
  15:00〜16:00 線量測定法(坂本:山梨大学医学部附属病院)

アンケート結果(1<高>〜5<低>)
  1.講義内容について興味がもてましたか?
     1:64%  2:30%  3:6%  4:0%  5:0%
  2.講義内容について理解できましたか?
     1:18%  2:64%  3:16%  4:2%  5:0%
  3.講義内容は業務で今後活用できますか?
     1:28%  2:60%  3:10%  4:0%  5:0%
  4.講義内容について満足できましたか?
     1:14%  2:76%  3:8%  4:2%  5:0%
  5.このセミナーに線量測定の実習は必要だと思いますか?
     1:56%  2:36%  3:6%
  6.線量測定実習を別の日にしたら参加を希望されますか?
     1:62%  2:4%  3:32%

アンケート結果の詳細についてはこちらのページをご覧下さい。

 上記日程と内容で、参加された皆様へのアンケート調査の結果より、おおよそご評価いただいたものと考えたい。今回、線量測定の実習は時間等の都合であえて行わなかったが、やはりニーズは高いと考えられ再検討したい。中川先生の講演は恒例となっているが、興味深くまた良い勉強になったと好評であった。要望としては、講義のスピードダウン、FPDについての講義も欲しい、法令も詳しくといった声もあった。反省点として次ぎに活かしていきたい。大変わかりやすく面白い内容でしたとのお褒めの言葉もいただけ、多少ホッとしている。
 受講いただいた皆様には今後も被ばく低減の啓発、啓蒙をお願いするとともに、セミナー運営にご協力いただき感謝申し上げます。お疲れ様でした。ありがとうございました。

アンケート結果の詳細についてはこちらのページをご覧下さい。



2004年度 被ばく管理委員会 活動報告

委員 塚本篤子(NTT東日本関東病院)

 全国循環器撮影研究会主催の第5回循環器被ばく低減技術セミナー(循環器画像技術研究会担当)が、平成16年9月4日(土)NTT東日本関東病院で開催されました。

 参加者は30名で、血管撮影室を使用し、QC-QAの方法や、2004年3月に放射線防護連絡協議会(13関連学会、2オブザーバー)から提言された、“IVRに伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドライン、IVRにおける患者皮膚線量の測定マニュアル”に準じた測定方法などの実習と、2004年改訂版の循環器被ばく低減技術セミナーテキストを使用した“放射線の人体への影響”、“X線装置被ばく低減方法”、“線量測定法”、“X線防護用具”、“品質管理”、“法令関連”、“症例”などについての坐学、ワンポイントレクチャーとして山梨大学の坂本肇氏の“インターベンショナル基準点について”、講演として東京大学の中川恵一先生の“高線量被ばくの病理と放射線診療”が予定されていました。

 線量測定実習に当たっては、3日間(8/23、8/30、9/3)夕方7時頃から3時間程度、セミナー担当者が集まって、打ち合わせとリハーサルを行いました。昨年から循環器画像技術研究会担当のセミナーで始めた線量測定実習でしたが、前回はSDMを使用して実習を行い、今回は電離箱線量計を使用して行うこととしました。実習方法に沿って、ファントムや測定器の準備をし、リハーサルを繰り返しました。その成果、ご評価はいかがであったか、アンケート結果が楽しみです。

 当日は、生憎のお天気でしたが、皆さん9時という早い時間にもかかわらずお集まり頂きました。全国循環器撮影研究会中澤会長からご挨拶をいただき、早速実習に移りました。昨年は60名近い受講者で2班に分けても操作室側に受講生があふれでいましたが、今年は15人ずつの組になり、2室を使用し、ゆったりした雰囲気の中、受講生の方々に実習いただく方法をとりました。装置のQC/QAの1方法、IVR基準点の求め方と撮影台の吸収値の求め方、アクリル20cmでの電離箱線量計を使用した線量測定、胸部ファントムを使用し標準的な撮影角度でSDMの測定値と装置装着の面積線量計での測定値との比較、面積線量値からの皮膚照射線量への変換方法などを実習しました。線量測定に詳しい受講生の方がいらっしゃったりして、講師陣にとっても今後の講義のために勉強になりました。その後、坂本氏のワンポイントレクチャーで、IVR基準点の意味や、面積線量計値のことなど詳しくお話いただき、大変ためになりました。

 昼食後、坐学はテキストに沿って一科目20分程度で講師4人が分担して行いました。

 その後予定していました中川先生の講演は、先生の急用のため中止とさせていただきました。中川先生の講演を楽しみにこられた受講生の方々には本当に申し訳ないことになりましたが、午前中特別講義いただいた山梨大学の坂本さんから、更なる特別講義を受けることができました。

 その後、中津会長から終了証が手渡され、丸一日かけた循環器被ばく低減技術セミナーが終了しました。受講生の皆様方に、一つでもためになることがあり、循環器撮影や治療時の被ばく低減に役立ちますように!!

 お疲れ様でした。

被ばく管理委員会
委員長 加藤京一  (昭和大学藤が丘病院)
    田島 修  (埼玉県立循環器・呼吸器病センター)
    塚本篤子  (NTT東日本関東病院)
    佐藤久弥  (昭和大学横浜市北部病院)

全循研ホームページの開催報告もご覧ください。



2003年度 被ばく管理委員会 活動報告

委員長 加藤京一(昭和大学藤が丘病院)

 平成15年9月6日(土)東京は五反田駅近くのNTT東日本関東病院4Fカンファレンスルームおよび血管検査室において、全国循環器撮影研究会主催「第3回循環器被ばく低減技術セミナー」がスケジュールのとおり開催されました。

 循環器画像技術研究会としては、延べ5回の被ばく低減技術セミナーを開催させていただきました。内容に関しては毎回少しずつ改訂をし、担当者それぞれが努力を重ね、またマンネリ化させないためにも担当講義を変更し、工夫をしながら地道に取り組んできました。ありがたいことに、これまでも参加された多くの方々から支持をいただいており(当然痛烈な批判やお叱りも)、これに気を良くしたお調子者の委員長をはじめとする愉快な5人組は、今回は小児の被ばく低減技術のワンポイントレクチャーと測定実習を盛り込み、更なる充実を図ろうと準備に取り組んでおりました。

 今回から、全国統一のテキストとスライドを使用して講義するということで、我々講師陣はこのテキストとスライドが届く日を心待ちにして待っていたわけであります。いつもはこのテキスト作りに時間を費やしていた我々は、幾分ほっとしておりました。しかし、練習ができない。大幅な改訂 はないのでしょうね、会長。「大丈夫だよ。いつもとそう変わりないのだから。あったとしても君たちはもうベテランだからね。大丈夫。 変わりないって」と満面の笑み。信じるしかない。

 そして開催まであと2週間。待ちに待ったテキストを見て・・・アゴがはずれました。各推進母体の協力のもと、とても素晴らしいテキストが届いたわけでございますが、な、なんと2つも講義が増えているではありませんか。でもこんな時こそ、これまでの経験と結束力を活かすチャンスです。実行委員一丸となり、このセミナーを大成功させるべく、より一層の奮励努力をしたつもりでございます。

 東大病院の中川恵一先生には、毎回貴重かつわかりやすい講義をしていただき感謝致します。そして、ワンポイントレクチャーを快諾して下さった埼玉小児の松本さん、ありがとうございました。また、相当無茶な注文にも愚痴ひとつこぼさず対応してくれた講師陣、線量実習の予備実験を夜遅くまで何度も何度も行ったスタッフ、当日の会場設営から打ち上げまで共に汗していただいた実行委員一同の労をねぎらいたいと思います。

スケジュール
09:50-09:55 全国循環器撮影研究会 会長挨拶
09:55-10:00 セミナー説明
10:00-11:00 講演「JCO被ばく事故から医療被ばくを考える」
                東京大学医学部付属病院 放射線科  中川 恵一 先生
11:00-11:20 講義「装置系」
             石心会 さやま総合クリニック 放射線室  植木 淳子
11:20-11:40 講義「防護具系」
                     東京逓信病院 放射線科  中谷  麗
11:40-12:00 講義「小児被ばく低減技術ワンポイントレクチャー:小児の検査と被ばく低減の工夫」
             埼玉県立小児医療センター 放射線技術部  松本 千尋
12:00-13:00 休憩
13:00-13:20 講義「症例」
         埼玉県立循環器・呼吸器病センター 放射線技術部  田島  修
13:20-13:40 講義「管理」
                昭和大学藤が丘病院 中央放射線部  加藤 京一
13:40-14:00 講義「測定」
                昭和大学横浜市北部病院 放射線部  佐藤 久弥
14:00-16:00 実習
         埼玉県立循環器・呼吸器病センター 放射線技術部  田島  修
                昭和大学横浜市北部病院 放射線部  佐藤 久弥
16:00-    終了式



2002年度 被ばく管理委員会 活動報告

委員長 : 加藤京一(昭和大学藤が丘病院)
委 員 : 田島 修(埼玉県立循環器・呼吸器病センター)
    : 佐藤久弥(昭和大学横浜市北部病院)
    : 中谷 麗(東京逓信病院)
    : 久保淳子(石心会 さやま総合クリニック)

 今年度のセミナーは、全国循環器撮影研究会主催「第2回循環器被曝低減技術セミナー」として、2002年9月7日(土)に昭和大学病院中央棟7F研修室にて、全国から50名の参加者を迎え開催した。全国循環器撮影研究会江口会長、佐藤事務局長にも参加していただき充実したセミナーであった。

全循研主催 「第2回循環器被曝低減技術セミナー」プログラム
講演 1:「放射線被曝の臨床と病理 −JCO被曝事故から医療被曝まで」
         東京大学医学部付属病院放射線科 中川恵一 先生
講演 2:「医療被曝の標準化と科学的根拠」
         埼玉県立がんセンター放射線技術部 諸澄邦彦 先生

委員会講義
  1)循環器装置による被曝低減について
  2)防護具について
  3)線量測定について
  4)症例について
  5)QC、QAについて

アンケート結果
 セミナー終了時に回収したアンケート結果
1)「講義内容に興味が持てたか」の問に → 「興味が持てた」が 100%
2)「講義内容に対する理解度」の問に → 「理解できた」が 80%
3)「講義内容の活用度」の問に → 「活用できる」が 88%
4)「講義内容の満足度」の問に → 「満足」が 80%

 また、「測定法をもっと詳しく知りたい」、「被曝低減につながる具体的な例が知りたい」、「実習を組み込むべき」など貴重なご意見もいただいたので、今後の課題としたい。
 最後に、当研究会の考えに賛同しセミナーにて講演していただきました先生方、参加された会員の皆様、またこの活動を応援してくださった皆様に、改めて御礼申し上げます。



2001年度 被ばく管理委員会 活動報告

委員長 : 加藤京一(昭和大学病院)
委 員 : 田島 修(埼玉県立循環器・呼吸器病センター)
    : 佐藤久弥(昭和大学病院)
    : 中谷 麗(東京逓信病院)
    : 久保淳子(石心会狭山病院)

 今年度も引き続き、2001年9月29日(土)昭和大学病院中央棟7階研修室において、「第3回循環器被ばく低減セミナー」を開催した。セミナー参加人数は定員を上回る52名で、職種も診療放射線技師、看護師、装置メーカー、防護用具メーカーと各方面の方々に参加していただいた。今年度の新しい試みとしては、被ばく線量測定実 験・NDD計算ソフトの使用法のビデオを作製し、それを見ながら講義を行った。

「第3回循環器被ばく低減技術セミナー」プログラム
1.外部講師
  テーマ 1:「制御可能線量と医療線量」  諸澄邦彦 先生
  テーマ 2:「電離放射線の人体に対する生物学的効果」  関根 広 先生

2.委員講義
  1) X線装置による被ばく低減
  2) X線防護用具
  3) 線量測定法
  4) 実験ビデオ説明
  5) 症例
  6) QC・QA

アンケート結果
 セミナー終了時に回収したアンケート結果によると
1)「講義内容について興味が持てたか」 → 大変持てた・持てた 100%
2)「講義内容について理解できたか」 → 十分できた・ほほできた 80%
3)「講義内容は業務で活用できるか」 → かなり活用できる・ほぼできる 90%
4)「講義内容について満足できたか」 → 十分できた・ほほできた 95%

 経験年数や職種によって、理解度の差が若干あるように感じた。委員の目標としては、被ばく低減セミナーのテキストが循環器検査・治療に携わる全てのスタッフに「知恵の種」として使用されることなので、まだまだ改善の余地があり、これからも目標に向かってテキストや講義内容を分かりやすく改善する努力をして行きたいと思う。
 皆様にセミナーについてのご意見やご希望、お褒めの言葉をたくさんいただいた。皆様の声を励みにし、必ず次回のセミナーを成長させたい。
 最後に、当委員会の考えに賛同し、セミナーにて講演していただいた先生方、参加された会員の皆様、またこの活動を応援してくださった皆様に、改めて御礼申し上げます。



2000年度 被ばく管理委員会 活動報告

委員長 : 加藤京一(昭和大学病院)
委 員 : 田島 修(埼玉県立循環器・呼吸器病センター)
    : 久保淳子(石心会狭山病院)
    : 中村公行(東京都立荏原病院)
    : 中谷 麗(東京逓信病院)

 3年目を迎えた当委員会の平成12年度の活動報告をいたします。
 まず、2000年5月14〜19日の間、広島市国際会議場で開催された“The 10th International Congress of The International Radiation Protection Association”「国際放射線防護学会 第10回国際会議」に被ばく管理委員会の活動を報告してまいりました。ポスター発表でしたが、質問もあり (当然英語で) なんとかゼスチャを加えて答えました。持参した英語版テキストも瞬く間になくなり、尚かつ、展示していた臨床写真を盗まれてしまいヒヤヒヤものの学会でした。
 そして、今年度も2回目のセミナーを行いました。
 2000年9月2日(土)昭和大学病院中央棟7階研修室において、「第2回循環器被ばく低減セミナー」を開催しました。参加者は44名、北は北海道、南は浜松の方まで参加していただきました。 (実はサウジアラビアからも参加希望がありました)

「第2回循環器被ばく低減技術セミナー」プログラム
 外部講師による講義として、
テーマ 1:「ICRP 90年勧告導入に際して」
          諸澄邦彦 先生 (埼玉県立循環器呼吸器病センター)
テーマ 2:「放射線の人体に与える影響」
          関根 宏 先生 (東京慈恵会医科大学放射線医学教室)

 両先生の講義につづき、各委員による講義を行いました。
  1)循環器装置による被ばく低減について
  2)防護具について
  3)線量測定について
  4)症例について
  5)QC・QAについて

 セミナー終了時に回収したアンケート結果によると
  [1]「講義内容に興味が持てたか」に対する問に →「興味がもてた」が 100%
  [2]「講義内容に対ーする理解度」に対する問に →「ほぼ、あるいは十分理解できた」が 100%
  [3]「講義内容の活用度」に対する問に →「ほほ、あるいは十分活用できる」が 90%
  [4]「講義内容の満足度」に対する問に →「ほぼ、あるいは十分満足」が 90%
という「出来すぎ」の結果でありました。しかし、個々に深く見直すと反省しなければならない部分もあり、参加者からのリクエストからも「実習を組み込むべき」との指摘があったように、いまだ改善の余地があり、今後の課題にしたいと思います。
 さらに、IRPAで報告した内容に少し加筆した論文が、日本放射線技師会雑誌、47(11)、pp.45-58、(2000)に掲載されました。
 以上で、平成12年度「被ばく管理委員会」活動報告を終ります。
 最後に、当委員会の考えに賛同し、セミナーにて講演していただいた先生方、参加された会員の皆様、またこの活動を応援してくださった皆様に、改めて御礼申し上げます。



1999年度 被ばく管理委員会 活動報告

委員長 : 加藤京一(昭和大学病院)
委 員 : 田島 修(埼玉県立循環器・呼吸器病センター)
    : 久保淳子(石心会狭山病院)
    : 中村公行(東京都立荏原病院)
    : 中谷 麗(東京逓信病院)

 発足16年日を迎えた循環器画像技術研究会では、現在大きな問題のひとつになっている[放射線被ばく]について、ワーキンググループ「被ばく管理委員会」を設置し、被ばく低減技術について2年間検討してきた。そしてこの集大成を多くの方に習得していただくために、1999年11月6日(土)昭和大学病院中央棟7F研修室において、「第1回循環器被ばく低減技術セミナー」を開催した。

「第1回循環器被ばく低減技術セミナー」プログラム
テーマ 1:「人体に対する生物学的効果」10:00〜11:00
          関根 広 先生 (東京慈恵会医学部附属病院放射線科講師)
テーマ 2:「ICRP・IAEAの考え方と技師の役割」11:00〜12:00
          菊池 透 先生(自治医科大学附属病院RIセンター )

被ばく管理委員会委員による講義 13:10〜15:30
  1)循環器装置による被ばく低減について(田島 修 委員)
  2)循環器に関する防護具について(久保淳子 委員)
  3)線量測定について(中村公行 委員)
  4)症例について(中谷 麗 委員)
  5)QC・QAについて(加藤京一 委員長)

Q&A・被ばく線量計デモ 15:30〜16:00

 このセミナーには、東京、神奈川、埼玉、千葉をはじめ山梨や長野から、職種も診療放射線技師のみならず、看護婦、メーカの方々が参加 した。
 関根、菊地両先生の講演内容について、詳しくは第2回セミナーテキストに掲載する予定であるが、関根先生は、「人体に対する生物学的効果」をテーマに、放射線被ばくと確定的影響の評価、胎児の放射線影響と防護、放射線被ばくと確率的影響の評価、放射線被ばくによるがんの発生確率の評価、放射線被ばくに伴う遺伝的影響の評価について講演していただいた。
 菊地先生には「ICRP・IAEAの考え方と放射線技師の役割」をテーマに、ICRP勧告とIAEAの電離放射線に対する防護及び放射線源の安全に関する基本安全基準(BBS)の改訂をふまえ、不必要に高すぎる医療被ばくを制限するために導入されたガイダンスレベルの考え方と21世紀に向けた放射線安全利用における放射線技師の役割について講演していただいた。
 被ばく管理委員会では、このセミナー開催に先立って「循環器被ばく低減技術セミナーテキ スト」を作成し、これに沿って講義を行った。テキストの内容は次の通りである。

循環器被ばく低減技術セミナーテキス卜の概要

・X線装置による被ばく低減方法について
(X線管、付加フィル夕、コリメーション、透視線量、撮影線量、シネレス、収集レート、I.I.、その他)
・X線防護具による被ばく低減方法について
(防護衣、水晶体防護具、甲状腺防護具、遮蔽板、鉛カーテン、防護衝立、アンギオバリア)
・被ばく線量の測定方法について
(線量測定法、患者被ばく線量測定、散乱線測定)
・症例呈示と放射線障害について
(症例、推定線量、放射線皮膚障害としきい値、被ばく部位と影響との関係、成人及び小児の赤色骨髄分布、赤色骨髄の造血、確定的影響に関するしきい線量、1胎児の影響に対して感受性の高い時期、胎児影響のしきい線量、10日間規則)
・QC・QA
(QC・QA の基本的な考え方、医療法に基づく管理のあり方、各施設で最低限実施しなけれ ばならないこと、 Working Range 、まとめ)

 セミナー終了時、参加された方々に今回のセミナーについての簡単なアンケートをさせていただいき、その一部を図に示した。結果からいえば、驚くことにとても好評であり、委員会委員一同ホッとしている。講演いただいた両先生の内容は、もっと聞きたかったという意見が多く、我々委員の講義の評価にはお世辞も含まれていると考えた方が妥当かとも考えている。が、委員も毎日の忙しい業務の中、手を抜くことなく、純粋に被ばく低減技術を少しでも多くの施設の活動に生かしてもらおうと頑張った。この努力は評価していただきたい。また、このアンケート結果をよく分析し、至らなかったところは真撃に受けとめ、次回のセミナーに生かしたい。そして皆様にいただいたお褒めの言葉を励みにして、今後の活動に力を入れていきたい。
 最後に、本研究会の考えに賛同し、このセミナーに講演いただくことを快諾下さった先生方、参加された会員の皆様、またこの活動を応援下さった皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。




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