心血管画像技術完全ガイドブック 編者： 循環器画像技術研究会 編著： 加藤 京一 ■A4判　■200頁 本体価格　6,000円（税別） 2014年3月17日発行 ISBN978-4-86003-446-7 《内容》 　ハイレベルの医学知識と臨床技術を要求される心臓カテーテル検査・治療。本書は，循環器画像技術研究会が30年間にわたって培ってきた経験と知識をベースに，読影の補助に繋がる臨床技術，症例提示によるテクニカルデスカッションなどについて，詳細かつ解りやすく，チーム医療を進める手引き書として有用な情報が満載されている。

好評発売中　（2014年3月17日発売）　　6,000円（税別）

心血管画像技術完全ガイドブック　循環器画像技術研究会編

《 目次 》
第１部　基礎編
・1．カテ室の設計
・2．装置機器・周辺機器
・3．心臓カテーテル検査におけるデジタル画像
・4．正常解剖
・5．心血管撮影技術
・6．患者安全対策
・7．QC，QA
・8．心機能パラメータ
・9．造影剤の注入条件
・10．カテ前カテ中情報カテの概要と異状走行
・11．情報のとらえ方
・12．画像の成り立ち
・13．動画ネットワーク
・14．放射線安全管理

第２部　臨床編
・1．虚血性心疾患（IHD1）
・2．弁膜疾患
・3．先天性疾患
・4．カテーテルアブレーション
・5．カテーテル技術情報
・6．PCI
・7．感染対策・医療安全・チーム医療

第３部　診断編
・1．左主幹部急性心筋梗塞
・2．左回旋枝急性心筋梗塞
・3．労作性狭心症
・4．不安定狭心症
・5．労作性狭心症
・6．冠攣縮性狭心症
・7．右冠動脈急性心筋梗塞
・8．左前下行枝急性心筋梗塞
・9．川崎病

推薦のことば　　中澤　靖夫　（昭和大学大学院保健医療学研究科教授）

推薦のことば
　わが国では食生活の欧米化によって心臓病（心疾患）の患者数が年々増加し，癌に次いで死因の第2位を占めています．このため心臓カテーテル検査・治療を行う施設が増加しており，医療ニーズの重要な課題となっております．

　今日行われている心臓カテーテル検査・治療では，高度画像診断機器が用いられ，デジタル画像データを駆使して，他のモダリティ画像（冠動脈CT，心エコーなど）を同時に表示しながら，リアルタイムに治療を行っています．周辺医療機器や医療器材の開発と改良も進み，治療成績の向上に大きく寄与しています．これらハード面の向上は，検査治療にかかわる医師，診療放射線技師，看護師，臨床工学技士，臨床衛生検査技師等に対して，「根拠に基づく医療」（evidence based medicine：以下，EBM）とハイレベルの医学知識・臨床技術・臨床技能を要求しています．

　本書は，そういった時代の医療ニーズに応えるために，循環器画像技術研究会で30 年間培ってきた臨床技術を再度見直し，定例研究会で毎回行っている症例提示によるテクニカルデスカッションを中心に編集されました．その内容は，カテ室の設計，装置器材・周辺機器，心カテにおけるデジタル画像，正常解剖，虚血性心疾患，弁膜疾患，先天性疾患，冠動脈疾患，PCI，アブレーション，心血管撮影技術，患者安全対策，管理技術，心機能パラメータ，造影剤注入条件，カテ前カテ中情報，情報のとらえ方，画像の成り立ち，ネットワーク，システム管理，被ばく管理，カテ技術情報，感染対策・医療安全・チーム医療等多岐にわたっており，なおかつ詳細に解りやすく記述されています．

　循環器を画像化する技術は，循環器X 線装置の性能，デジタル画像処理装置，デジタル画像表示装置，サーバ等のハード面の性能に委ねられている面もありますが，最終的に臨床画像を作成するのは診療放射線技師や医師であって，心疾患の治療に必要な最適な最大情報量の臨床画像を作成する専門家はその疾患を熟知していることが重要です．したがって，生きた生体情報を生きたまま画像化する瞬間に，全ての技術が結晶化されることになります．

　循環器画像技術研究会は『心血管造影技術マニュアル』三輪書店（1994），『カテーテルスタッフのための心血管画像学テキスト』医歯薬出版（2004），『心血管画像技術　完全ガイドブック』医療科学社（2014）と10 年ごとに心血管画像学の技術的神髄を書籍として出版してまいりました．この事業は診療放射線学の発展に多大なる貢献を行っているものであります．これもひとえに会員の皆様方はじめ多くの諸先輩方，諸先生方のご支援とご協力の賜と感謝を申し上げます．

　本書は循環器検査・治療分野で活躍する診療放射線技師，医師，看護師，臨床工学技士，臨床衛生検査技師の質の向上を目指す手引き書として有用であるとともに，また，チーム医療を進めるうえでも有用な情報が満載されておりますので，ここに推薦の辞といたします．

　2014 年　1 月吉日