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あなたにも出来る !? 体外ペースメーカーの設定
 <菊地達也:横浜市立大学附属市民総合医療センター>2006.02.18 第222回定例研究会 ショートレクチャー


心カテ室の中の仕事で、直接の医療行為は医師の担当ですが、その他はスタッフ皆で分担・共同が基本です。
施設によってスタッフの職種や人数、業務分担は異なっても、トータルの仕事内容や仕事量はあまり違わないでしょう。
周辺機器の基本的な使用法は[あなた]も知っておくと便利ですよ。

今回は『体外式心臓ペースメーカー』と『IABP』の設定方法です。

※ 研究会当日の時間の都合で「ペースメーカー」のみの説明となってしまいましたので、掲載資料もペースメーカーのみとさせていただきました。IABPについては別の機会に掲載させていただきます。(菊地達也@横浜市大センター病院)

体外式心臓ペースメーカーとその適応

体外式心臓ペースメーカー
  • DDD型
    • EDP 30/AX
    • 5388
    • PACE 203 H
  • VVI型(or DVI型)
    • EDP 20/A
    • 5330
    • PACE 101 H
体外ペースメーカーの適応
  • 洞機能不全症候群
    (SSS:sick sinus syndrome)
  • Mobitz U型房室ブロック
  • 完全房室ブロック
  • 上記房室ブロックを合併した急性心筋梗塞
  • 血管攣縮性狭心症診断のバックアップ
    (VSA:VasoSpastic Angina pectoris)

ペーシングのモードを理解しよう 

基本は 「生理的ペーシング」
  • 生理的ペーシングとは、一定のPQ間隔で心房と心室が連動するようなペーシングのことをいう。通常の心室のみのペーシング以上の心機能の改善が期待できる。
  • 伝導障害がない場合は心房ペーシング(AAI,AAT)にて達成できるが、伝導障害がある場合は心房、心室の両方をVAT,DVI,VDD,DDDなどのモードでペーシングする。
★でも、体外ペーシングは循環機能を絶やさないための緊急避難的な対処療法です(一時的体外ペーシング)。通常はVVI機能が重要です。どのモードで実行できるか習得しましょう。★
心臓のしくみと刺激伝導系
ペーシングの表現記号の組み合わせ
「VVI」機能が達成できるモード記号は?
  • DVI
  • VDD
  • DDD
→“心室でセンシングして、自己心拍がないときは心室をペーシングする” モード
センシング方式 「I」と「T」の違い
  • 自己波形をセンシングした後、Iではペーシングが抑制されるが、Tではペーシング波形がでる。ただこのペーシング出力は心室の絶対不応期に重なるため結果的には自己収縮のみとなる。
  • センシングの感度をみるには都合がよいが電力消費が大きいなど不利な点が多く現在AAT,VVTはほとんど用いられない。

実際のペースメーカーに触ってみよう

DDD型 EPD 30/AX のモード
  • DDDを使いましょう
→機能的にはVVIも可能ですが表示はありません。DDDでの使用をお勧めします。
DDD型 EPD 30/AX
  1. 心房用電極リード接続端子
  2. 心室用電極リード接続端子
    (双極誘導の場合は電極の末梢側、distalを−に、中枢側、proximalを+に接続) (単極誘導の場合は1と2の+同士を短絡する。)
  3. 電源およびモード切り替えスイッチ(DDO500,DDO,VDO,DVI,DDD)
    ただし、VVIはVDDモードにして心房感度を10mV、AVディレイを10msにするか、心房電極の+と−を短絡する。
  4. 電池交換指示ランプ(赤)
  5. レート設定ダイヤル(30〜150ppm)
  6. AV間隔(ディレイ)設定ダイヤル(10〜250ms)
心房ペーシング設定部 心室ペーシング設定部
  1. 感度設定ダイヤル(0.5mV〜10mV)
  2. P波同期ランプ(緑)
  3. 出力ダイヤル(0.1〜10mV)
  4. 刺激パルス同期ランプ(黄色)
  1. 感度設定ダイヤル(2.0〜20mV)
  2. R波同期ランプ(緑)
  3. 出力ダイヤル(0.1〜10V)
  4. 刺激パルス同期ランプ(黄色)
VVI型 EPD 20(/A) のモード
  • VVIを使いましょう
→doubleのモード(DDD)が無いので、一時的ペーシングに使用する。
VVI型 EPD 20(/A)
  1. 心房・心室兼用電極リード接続端子 (双極誘導の場合は電極の末梢側、distalを−に、中枢側、proximalを+に接続)
  2. 電源およびモード切り替えスイッチ (VOO,VVI,RAPID PACING)
心室ペーシング設定部
  1. レート設定ダイヤル (40〜180ppm)
  2. 刺激パルス同期ランプ(赤)
  3. 感度設定ダイヤル (1mV〜20mV)
  4. R波同期ランプ(緑)
  5. 出力ダイヤル (0〜12mV)
  6. RAPID PACING開始スイッチ
  7. RAPID PACINGレート設定ダイアル (50〜800ppm)
  8. 電池交換指示ランプ(赤)
DDD型 PACE 203 H のモード
  • VVIを使いましょう
DDD型 PACE 203 H の各部スイッチ名称
DVI型 Medtronic(R) 5330
  1. 心房用電極リード接続端子
  2. 心室用電極リード接続端子
  3. 心房出力ダイヤル(0.1〜20mA)
  4. 心室出力ダイヤル(0.1〜20mA)
  5. AV用間隔設定ダイヤル(0〜300ms)
  6. 心室感度設定ダイアル(1〜20mV〜非同期)
  7. 連動型電源
  8. レート設定ダイヤル(30〜180ppm)
  9. 心房刺激パルス同期ランプ
  10. 心室刺激パルス同期ランプ
  11. R波同期ランプ)

VSAアセチルコリン負荷心カテ検査で、バックアップペーシングを設定しよう!!

右心室双極電極を使用し、ペーシングモードをVVIとして各パラメータを決定する手順を示します。

VSAアセチルコリン負荷の場合の体外式心臓ペースメーカーの設定
  1. 電源投入前の設定
    • 心室出力電圧 → 最小
    • 心室感度電圧 → 最大
    • 心拍数 → 自己心拍数以下
  2. リード線をつなぐ(心室)
    • (−)青/黒<先端側電極>
    • (+)赤   <手元側電極>
  3. モードをVVIに設定する
    • DDD/DVI/VDDでも可
    • DDD/DVIでは心房出力を最小、もしくは短絡
  4. (電源SWが別の場合は電源を入れる)
  1. 心室感度電圧を下げていき、センシング閾値を決定
    • 心室感度 → 閾値より 2〜3mV 下げて設定
    • 診断カテでの短期的な使用の場合、オーバーセンシングにならなければ心室感度電圧を最低(感度最大)でも問題ない
  2. 心拍数を自己心拍数より2〜3割高く設定する
  3. 心室出力電圧を上げていき、ペーシング閾値を決定
    • ペーシング閾値が1〜1.5Vを超える場合には電源を切り、電極位置を変えて再設定する
    • 心室出力 → 閾値より2〜4V高めに設定
  4. バックアップ心拍数を設定する (40bpm前後)
  1. 設定時の注意事項
    • AVディレイ → 通常 150msec
    • 呼吸にてペーシング不良にならないか注意する
    • (深呼吸にて電極の動き、ペーシング不良を確認)
    • リード線の接続を確実に!!
    • 設定内容の確認を声・目視にて施行医に伝えること
    • 設定終了後は本体が落下しないよう固定するかもしくは寝台マットなどの下に挟み込む
  2. バックアップ・ペーシング時の注意事項
    • ペーシング電極の刺激による期外収縮
    • 徐脈時のペーシング作動心拍数確認
    • ペーシング作動時の声だし確認
    • ペーシング異常時の声だし確認

終わりに・・・

心カテ室でのコ・メディカルスタッフが担わなければならない仕事は多岐にわたっています。
自分の職域に固執せず、『チーム心カテ室』の一員として協力しましょう。

特に周辺機器の基本操作は、患者の安全確保の上でも知っていた方が良いと思います !!




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