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●脳血管画像の読み方 <佐藤久弥:昭和大学横浜市北部病院>2005.01.15 第211回定例研究会 ショートレクチャー


プログラム
 1) 脳血管造影で何をみるの?
 2) 脳血管造影で注目すべき所見は?
 3) 各病変における注目すべき所見は?
    ◎ 脳虚血・脳梗塞
    ◎ クモ膜下出血
       A) 脳動脈瘤
       B) 脳動静脈奇形


はじめに

 ほとんどの場合、患者様が血管検査室に来る前に病巣の位置・大きさそして病名まで判別している。

 だからといって漫然と検査を行ってはいけない。

 これらの情報をふまえた上で、「病態予測」「撮影(検査・治療)技術計画」を立て、より質の高い画像情報を提供しなければいけない。

1) 血管造影で何をみるの?

 脳血管造影は、脳血管障害の責任血管病変を最終的に描出し得る方法である。これは、CT、MRIが主に責任脳病変を検出するのに優れていることと対比するものである。
 また、脳血管造影で責任血管病変だけでなく、浮腫による血管の変異などの2次的な変化や、症状を表していない合併病変も存在するので、4血管検査(four vessel study:左右総頚動脈、左右椎骨動脈)場合によっては6血管検査(six vessel study:左右内頚動脈、左右外頚動脈、左右椎骨動脈)を行う。
 これらによって得られた情報は、外科手術の適応決定、術式決定に重要な役割を果たし、手術時の地図のような役割も持つものである。


2) 脳血管造影で注目すべき所見は?

  a) 動脈硬化の程度 (血管の蛇行、内腔の不整などに注目)
  b) 正常血管が全て存在するか (動脈・静脈を含め、個々の血管についてチェック)
  c) 血管の閉塞・狭窄・潰瘍形成
  d) 異常血管 (胎生期の遺残血管、脳底部の異常血管網など)
  e) 脳動脈瘤
  f) 動静脈奇形、その他の血管の奇形
  g) 血管の破錠 (造影剤露出)
  h) 血管の偏位 (脳浮腫・腫瘍・血腫などによる)
  i) 静脈洞・静脈系の閉塞の有無
  j) 循環時間 (速いものでは短絡があり、遅延したものでは脳圧の亢進、静脈系の閉塞がある)


3) 各病変における注目すべき所見は?

◎ 脳虚血・梗塞の脳血管造影の所見
  a) 責任病変の有無
     ・閉塞、狭窄、潰瘍、屈曲
     ・大動脈弓、頭蓋外血管、下顎角−乳様突起線、頭蓋内血管
  b) 再開通、塞栓位置移動
  c) 毛細血管造影増強、早期静脈造影
  d) 側副循環
     ・ウィリス動脈輪・脳軟膜吻合
     ・外頚動脈−内頚動脈吻合
  e) 血管の偏位(脳浮腫・脳ヘルニア)
  f) 循環時間


3) 各病変における注目すべき所見は?

◎ クモ膜下出血の脳血管造影の所見

クモ膜下出血の原因疾患
 A) 脳動脈瘤
 B) 脳動静脈奇形


A) 脳動脈瘤の脳血管造影の所見

  a) 動脈瘤の局在、大きさ、形状、向き、neckの状態、多発性の有無、造影剤漏出の有無
  b) 脳血管攣縮の有無、形状、程度
  c) 水頭症 (CTにより確実な診断が可能)
  d) 血管の偏位(血出・浮腫・脳ヘルニアなど、これもCTにより確実な診断が可能)
  e) 循環時間
  f) 合併血管病変の有無


B) 脳動静脈奇形の脳血管造影の所見

  a) 局在、大きさ(2cm、4cm、6cm)、形状、流入動脈、流出静脈、短絡血流量、造影相
  b) 正常血管の造影度
  c) 水頭症
  d) 血管の偏位 (血腫、浮腫、脳ヘルニア)
  f) 循環時間


まとめ

 本日お話した内容は、脳疾患のほんの一部である。
 我々診療放射線技師が、各疾患における画像診断を理解し、検査計画をたて、実践することで質の高い検査につながる。
 考え方として、撮影した画像から診断を行うので無く、疾患にあった検査計画を立て、適した画像を提供することが、診療放射線技師の役目であると考える




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