●IVUSの仕組みを知ろう
<萩原充人:独立行政法人労働者健康福祉機構 横浜労災病院>2005.05.14 第215回定例研究会 ショートレクチャー
IVUSの利点
- 血管内径・内腔面積の正確な評価
拡張が充分か?
ステントサイズ
エンドポイント
- 病変の長軸方向の評価
- プラークの成分等解剖学的情報が得られる
デバイスの決定
IVUSの問題点
- 手間と時間がかかる
- 合併症
- コストがかかる
- 画像の歪み、ノイズ
構成
カテーテルの種類
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機械走査式(mechanical scan type)
- カテール先端に単一素子があり、これが回転(1,800回/分)し、約1度毎に信号の送受信を行う
- トランスデューサー周囲の気泡の除去 → カテーテル内を生理食塩水で満たす
- 30〜40MHz
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機械走査式のIVUS画像
カテーテルを回転 |
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電子走査式(electronic scan type)
- カテール先端全周に64個のトランスデューサー
- アーチファクトは、デジタル処理をして除去
- 20MHz
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機械走査式と電子スキャン式を比較すると
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機械走査型 |
電子スキャン型 |
探触子の数 |
1 |
64 |
セットアップ |
面倒 |
容易 |
NURD |
あり |
なし |
リングダウン |
小さい |
大きい |
鮮明度 |
鮮明 |
不鮮明 |
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機械走査式と電子走査式のIVUS画像 |
一般的なアーチファクト
- NURD(ナード)
- Ring-down (リングダウン)
- カテーテルの偏心性
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NURD (ナード)
Non-Uniformed Rotational Distortion
正確な回転をしていないことによる画像の歪み
探触子の不均一な回転によって生じる
- 冠動脈の高度屈曲
- ガイドカテーテルの屈曲
- Yコネクターの止血弁
- カテーテルの不良
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Ring-down (リングダウン)
- トランスデューサー自体の振動が原因で、高輝度の輪として出現する
- トランスデューサー周辺の気泡の除去が不充分な場合
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カテーテルの偏心性
(仮定)
・血管はまんまる
・カテーテルは、血管の中央に位置
・トランスデューサーは血管の長軸に平行
→ 実際の血管ではあり得ない
トランスデューサーが傾斜、血管の蛇行で、血管が楕円状となる
→ 血管径の過大評価・画質の劣化
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方向性の問題
IVUSの画像に前後左右の絶対的な方向性はない
→ 血管造影情報といかに組み合わせてイメージするか
血管造影情報といかに組み合わせてイメージするか
→ 血管の分岐の状態や、血管周囲の構造物で方向を知るための指標として用いる
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IVUSの情報と造影の情報を常に組み合わせてイメージする |
装置の設定
- Gainの調整:返ってきた信号の増幅度の調整
増幅度を上げる(Gainを上げる)
→ コントラストが付いて見やすくなる
→ 上げすぎるとギラギラした、黒と白だけの画像になってしまう
- TGC : 時間ゲイン補正(Time Gain Compensation)
STC : Sensitivity time control
近距離の強いエコーは、増幅度を落として、遠距離の弱いエコー は、増幅し、イメージ全体としてゲインが 均一となるように調節する回路
3Dの再構築
今後は・・・
- 超音波付バルーン
- 超音波付アテレクトミ
- ガイドワイヤーに搭載
- 前方監視ができる
循環器撮影研究会≒循環器画像研究会≒循環器技術研究会≒循環器研究会≒循環器撮影技術学会≒心血管画像研究会≒循研≒CITEC
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