心筋シンチ:その2脳筋血流シンチでわかることT









●心筋血流シンチでわかること(その1)
 <菊地達也:横浜市立大学附属市民総合医療センター>2007.06.16 第236回定例研究会 臨床情報講座


循環器カテーテル検査・治療を「安全に精度良く」行うためには、カテ前に実施している各種検査の情報を上手に把握しておくことが大切です。
それぞれの検査の特徴を理解し統合することで、病態が予測され、注意すべき問題点と必要な技術が明らかになります。

今回は、心筋血流シンチの基礎について学びます。

まず、質問です。

この安静時心筋血流シンチから虚血の範囲とviabilityを読影して下さい。
←(金沢大学医学部大学院バイオトレーサ診療学・核医学ホームページより引用)

本日の学習項目

  • 画像の表示法を学ぶ
  • 冠動脈支配領域を学ぶ
  • 心筋セグメント分類を学ぶ
  • 心筋血流シンチの目的
  • 例題
  • おまけ(Accuracy)
  • 次回の予告

画像の表示法を学ぶ 

3軸断層像の表示画像から、心筋の3次元像を構築しよう!!
  • SA :short-axis 短軸面断層像
  • VLA :vertical long-axis 長軸面垂直断層像
  • HLA :horizontal long-axis 長軸面水平断層像
←(「Q&A心臓核医学診断」,p11-12,2003. より改変
Tc-99mテトロフォスミンを使用した負荷心筋シンチの3軸断層の臨床画像です。
←(最新の核医学診断技術,2003:「モノを調べるコンピュータの話し」ホームページより引用)

極座標表示の画像から、冠動脈支配領域を推定しよう!!
  • polar map/Bull’s eye表示
←(「Q&A心臓核医学診断」,p11-12,2003. より改変)
前述の3軸断層像の臨床例で示した、Tc-99mテトロフォスミンを使用した負荷心筋シンチの極座標表示の臨床画像です。
←(最新の核医学診断技術,2003:「モノを調べるコンピュータの話し」ホームページより引用)

冠動脈支配領域を学ぶ

冠動脈の走行を対比して虚血領域を同定する。
←(「Q&A心臓核医学診断」,p206-207,2003. より引用)
冠動脈造影法によるセグメンテーション

心筋セグメント分類を学ぶ

17セグメント分類
  • 米国の関連学会で標準的分類として提唱:2002年
  • 超音波検査との比較におけるセグメント対比に有効
  • 解剖学的な心筋領域とセグメント数が一致する
←(Standardized Myocardial Segmentation for Tomographic Imaging of the Heart: Circulation, 105:539-42,2002. より改変)
集積の判定 (読影レポート)
  • セグメント毎に5段階で表記する
    • 0:正常
    • 1:軽度低下 2:中等度低下 3:高度低下
    • 4:集積無し
  • 冠動脈の支配領域も各セグメントに振り分け
←(Standardized Myocardial Segmentation for Tomographic Imaging of the Heart: Circulation, 105:539-42,2002. より改変)

心筋血流シンチの目的

  • 虚血の診断
  • 心筋viabilityの評価

虚血の診断

冠血流予備能(coronary flow reserve)を利用した虚血の検出
←(心疾患の治療プロトコールにおける核医学検査の位置づけ;日本医放会誌,65,p2,2005. より引用)
冠血流予備能とは・・・
  • 安静時の血流量は狭窄率80〜90%でも低下しない。
  • 最大血管拡張時(運動負荷・薬剤負荷)には、安静時血流量の4〜5倍の血流量になる。
  • 狭窄率50%程度でも血流量の低下が現れる。
←(金沢大学医学部大学院バイオトレーサ診療学・核医学ホームページより引用)
画像表示の学習で使用した画像の場合は?
stress (負荷時)
  • 心尖部・下壁・中隔の中等度な集積低下
  • 後壁の高度な集積低下
rest (安静時)
  • 心尖部・下壁の軽度な集積低下
  • 後壁の中等度な集積低下
虚血の判定
LAD #7、RCAの狭窄に伴う可逆性欠損

心筋viabilityの評価

心筋viabilityの評価
  • FDG-PETが感度・特異度にすぐれ、ドブタミン負荷心エコーは特異度が高い。
  • 虚血の検出には負荷心筋シンチが適し、viabilityの評価には安静心筋シンチが適している。
←(Bax JACC 1997: 30: 1451 より引用)

例題

虚血部位は「何処」でしょう?
←(金沢大学医学部大学院バイオトレーサ診療学・核医学ホームページより引用)
「前壁中隔」の虚血です!!
←(金沢大学医学部大学院バイオトレーサ診療学・核医学ホームページより改変)
心筋をトレースしてみると・・・

虚血の部位が心筋のどの辺りか判断しやすくなります。
←(金沢大学医学部大学院バイオトレーサ診療学・核医学ホームページより改変)
心臓の絵で見てみると・・・
←(Netter医学図譜集より引用・改変)

例題の所見

検査依頼
  • AMIで#7にPOBAし、狭窄の解除に成功した。
  • その後の心エコーで前壁にhypokinesisがある。
  • 虚血の範囲とviabilityは?
ここです!!
  • 前壁・中隔の重度な虚血。
  • 心尖側の前壁・中隔にViabilityは認められない。

おまけ(Accuracy)

Accuracy とは「正診率」です。

次回の予告

  • 心電図同期心筋SPECT
  • QGS(Quantitative gated SPECT)




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