CT-U・MR-T 下肢(動脈)撮影









●MR検査-U −頭部MR検査でわかること・脳卒中(脳梗塞)−
 <菊地達也:横浜市立大学附属市民総合医療センター>2008.10.18 第249回定例研究会 臨床情報講座


MR画像を知る・・・・?

MR撮像の基礎も大切だけど・・・

我々に必要な事は「画像を読む力」です。

MRの基本特性は画像診断医、MR担当放射線技師にお任せして、我々は提供された画像に映し出されている情報を正しく理解しましょう。
頭部検査のルーチンプロトコール
基本は
● T2WI(T2強調画像)
● T1WI(T1強調画像)
● FLAIR(フレアー画像)
追加で
○ DWI(拡散強調画像)
○ MRA(MRアンギオグラフィー)
○ T2*WI(T2*強調画像)
● T2WI
多くの病変が白く写るので、病変の拾い出しに有効
● T1WI
解剖学的構造が捉えやすく、形態異常を発見しやすい
● FLAIR
脳脊髄液が低信号のT2WIで、脳溝や脳室に接する病変の診断に有効
超急性期脳梗塞を検出するにはDWIが最適

CTではeary CT sginが確立されているが熟練した読影力が必要で、検出力に劣る。

MRではDWIの画像描出力が高く、異常信号が高輝度のため読影も容易である。
ただし、DWIでも発症1時間以内では画像化されないこともあり、患者の臨床症状が最大の診断要因となる。
血管形態と血流を知るにはMRAが有用

MRAでは血流の有無、方向、血管形態が把握できる。

しかしながら、血流の無い血管は描出されない。
また、一般的に頭尾方向に流れる血管は描出されず、サブクラビアン・シンドロームやAVM、AVFなど血流方向が一定しない場合には注意が必要。
(T2WIやFLAIR画像のフローボイドで推測可能)
脳内出血の検出にはT2*WIを

脳出血の検出にはCTが優れているが、微小出血の検出にはT2*WIが鋭敏に画像化できる。

脳卒中

脳梗塞
脳の血管がつまったり、狭くなったりして血流が悪くなります。
脳血栓症
脳の比較的太い血管が動脈硬化によって狭くなり、さらに血のかたまりによってすこしずつつまります。あるいは高血圧が原因で脳の細い血管が変性して、血管がつまります。
脳塞栓症
脳の血管に、心臓などでできた血のかたまりが流れてきて血管をふさぎます。
一過性脳虚血発作
一時的に脳の血管がつまりますが、すぐに血流が再開します。脳梗塞の前ぶれとして現れることがあります。
脳出血
脳の中の細かい血管が破れて出血します。
くも膜下出血
脳の表面の大きな血管にできたコブ(動脈りゅう)が破れてくも膜の下に出血します。
「寝たきりになる原因」の3割近くが脳卒中などの脳血管疾患です。
脳卒中の患者のうち日本では4分の3を「脳梗塞」が占めています。

ラクナ梗塞
脳の細い血管が詰まって起こる脳梗塞【小梗塞】
  • 脳に入った太い血管は、次第に細い血管へと枝分かれしていきます。この細かい血管(穿通枝)が狭くなり、詰まるのがラクナ梗塞です。
  • 日本人に最も多いタイプの脳梗塞で、主に高血圧によって起こります。ラクナは「小さなくぼみ」という意味です。
主に、中心灰白質に見られる小さな梗塞巣
アテローム性血栓性脳梗塞
脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞【中梗塞】
  • 動脈硬化(アテローム硬化)で狭くなった太い血管に血栓ができ、血管が詰まるタイプの脳梗塞です。
  • 動脈硬化を発症・進展させる高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が主因です。
発症1時間では、FLAIRで異常信号が見られるもののはっきりしないが、DWIで梗塞中心域が高輝度を呈している。
MRAにて左中大脳動脈に閉塞(狭窄による血流低下?)が見られる。
発症1日後、FLAIR、DWI共にレンズ核域に脳梗塞が認められる。
心源性脳塞栓症
脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞【大梗塞】
  • 心臓にできた血栓が血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管を詰まらせるものです。
  • 原因として最も多いのは、不整脈の1つである心房細動です。
  • ミスターG・長嶋茂雄氏を襲ったのも、このタイプの脳梗塞です。

頭部MR検査がアンギオのカテ前情報として繋がるものとしてMRAが挙げられる。

この場合でも、術前には詳細な形態及び計測をCTAで行う。

脳MR検査と脳アンギオ(IVR)

  • 脳血管撮影(IVR)の前情報として脳MR検査が必要になることは極まれとなっている。
  • 病気検出→経過観察に用いられている。
    • 組織コントラストの高いMR検査を利用して病気を検出する。
    • CTや他モダリティーで詳細な計測・診断を行って、治療を開始する。
    • 治療後(術後)の経過観察を病態の変化が捉えやすいMR検査で行う。

脳卒中(急性期脳梗塞)治療と緊急MR検査体制

  • 脳梗塞の検出・範囲決定にはMR検査が有用であるが、救急指定施設で24時間対応できる割合は20%以下と言われている。
  • 脳梗塞患者のQOL改善には早期治療→早期リハビリが有用なことは周知の事実であり、多くの救急対応施設でのMR検査24時間対応の整備が望まれる。




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