脳MR検査でわかること頭部CT









●CT検査でわかること-U/MR検査でわかること-T −下肢(動脈)撮影−
 <吉住直樹:石心会狭山病院>2007.09.15 第238回定例研究会 臨床情報講座


CTAとMRAの特徴


CTA撮影条件

当院での下肢血管造影の撮影条件です。
それぞれ検出器の構成は1.5mm×16列、2mm×6列、ビームピッチ0.75、1.67、スライス厚2.0mm、2.5mmと違いがあります。
造影条件を一定にするためにscan timeを合わせ、約30sec/1mに設定しています。


MRA撮像法

○ TOF法 (Time of Flight法)
◇ RFパルスによって静止した組織の信号を飽和することで、流れのある血流信号を相対的に高信号として描出する方法
◇ 脳や頚部MRA(動脈)撮像に利用
○ PC法 (Phase Contrast法)
◇ 動きのある血流と静止した部位とで磁化ベクトルの位相がシフトすることを利用して撮影
◇ 脳MRV(静脈)撮像などに利用
○ FBI(Fresh Blood Imaging)法 / NATIVE法
◇ エコー間隔の短い高速スピンエコー系のT2強調シーケンスを用いて、非造影で血液を直接画像化する
◇ 心周期(拡張期と収縮期)に応じて動脈血と静脈血の流速差がMR信号値に反映される現象を用いる
◇ サブトラクション処理を使って動静脈を分離描出できることが特徴

CTAの利点 

  • 広範囲をカバーでき、短時間で詳細な三次元画像が得られる
  • 心電図同期などの特別な装置や前処置は不要
  • 息止めも数秒間のみ患者への負担も少ない
  • 石灰化といった血管内腔以外の評価ができる
  • また、CTAでは造影剤を経静脈的に投与するため、経動脈カテーテルを用いた血管造影では描出しにくい下腹壁動脈や上位の腰動脈からの側副血行路も描出できる

CTAの問題点

  • 放射線被ばくがある (広範囲の撮影)
  • 造影剤が欠かせない
  • 造影剤副作用
  • 造影剤アレルギー、腎機能低下の患者には実施困難
  • 高度石灰化病変では内腔評価が困難

MRA(非造影)の利点

  • 放射線被ばくがない
  • 検査のやり直しが可能
  • 非造影で行えるので、造影剤アレルギーや腎機能低下の患者でも検査実施可能
  • 骨の情報が無いのでVR画像やMIP画像が作成しやすい
  • 造影剤同意書の不要
  • 手技が容易
  • 技師一人で可能 (造影要員が不要)

MRAの問題点

  • 診断画像として経時的変化を追えない
  • 撮像時間が長いので体動や痛みが強い患者には実施困難
  • 心電図同期などの特別な装置やコイルの設定などが必要
  • 呼吸、心電図変化の影響を受けやすい
  • 石灰化の評価が不能 (MRIでは無信号)
  • ペースメーカーや人工物植え込みなどの患者は検査適応外

末梢血管の表示方法

○ ボリュームレンダリング (Volume Rendering:VR)
◇ VRは作成が容易で、カラーで表示され立体感のある画像
◇ 条件の設定によっては細い血管や狭窄部が描出されず病変を過大評価する場合があり、注意を要する
○ 最大輝度投影法 (Maximum Intensity Projection:MIP)
◇ MIPは通常グレースケールで表示され、血管造影のような投影像が得られる
◇ CT-MIPでは骨の除去が必要、MR-MIPでは必要無い
○ Curved Planar Reformation (CPR)
CT-VRやCT-MIPでは血管壁に石灰化がある場合血管内腔の表示が困難であり、CT元画像やCPRを併用して読影する

病態と診断

動脈硬化症が原因で末梢動脈に閉塞性病変をきたすものを狭義には、閉塞性動脈硬化症 : ASO(Atheroscelerosis Obliterans)、現在は末梢血管疾患(PAD:Peripheral Vascular Disease)と総称

○ PADの診断
◇ PAD診断にはABI測定が有用であり、ABI>0.9が正常。ABIの感度・特異度は高い
◇ ただし、ABI値は全身の動脈硬化度を反映するも、狭窄、閉塞の局在の診断は困難
◇ 末梢動脈の閉塞や拡張性病変は「画像表示」することで診断が確定する
◇ 治療法の方針決定にはUS/CT/MRの画像検査が必須である
○ PADの画像診断で要求される重要なポイント
1. 解剖学的な情報・側副血行路の情報
2.. 動脈硬化度の評価
3. 石灰化の評価
4. 病変の範囲 (閉塞・狭窄の程度)
□ 側副血行路
1) 内胸動脈 → 上腹壁動脈 → 下腹壁動脈 → 外腸骨動脈
2) 肋間動脈および肋下動脈 → 腰動脈
3) 腰動脈 → 腰筋動脈・上腰動脈 → 内腸骨動脈 → 浅・深骨回旋動脈 → 外腸骨回旋動脈
4) 正中仙骨動脈 → 外側仙骨動脈 → 腸腰動脈 → 内腸骨動脈
5) 内腸骨動脈 → 内側大腿回旋動脈 → 下殿動脈 → 閉鎖動脈 → 内側大腿回旋動脈
6) 上殿動脈 → 外側大腿回旋動脈
7) 腸腰動脈 → 深腸骨回旋動脈 → 上殿・外腸骨動脈
8) 健側内腸骨動脈分枝 → 患側内腸骨動脈分枝

解剖


PADに対するインターベンション治療 (TACS分類)

末梢動脈疾患の治療法には外科的血行再建術、バルーンカテーテルを用いた経皮的血管形成術やメタリック・ステント留置術などの血管内治療のほか薬物療法や運動療法などがあり、集学的な治療が行われている。
一方、施設間で治療方針が異なることも多く、客観的な評価基準とそれに従った治療方針の選択が求められるようになり、2000年に欧米の学会が中心となって末梢動脈疾患の取り扱いガイドラインManagement of Peripheral Arterial Disease(PAD):TransAtlantic InterSociety Consensus(TASC)が作成された。


症例


血管診療技師 (CVT:Clinical Vascular Technologist)

血管検査技師でなく、予防・診断・治療、全領域に関わる血管診療に関わるコ・メディカルとしてのエキスパートで、バスキュラー・ラボ(VL:Vascular Laboratory)を超え、あらゆる場所での活躍が期待される。

  • 平成18年に誕生し、日本脈管学会、日本血管外科学会、日本静脈学会の3学会で構成
  • 脈管領域の無侵襲診断およびその介助から、医師による侵襲的診断・治療の介助までの広範囲な専門技師、すなわち、脈管疾患領域の診断にコ・メディカルとして関わる専門家




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