●血液データでわかること-T 〜自分の血液データを理解しよう!
 <石川栄二:横浜市立大学附属市民総合医療センター>2010.05.15 第265回定例研究会 臨床情報講座


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自分の血液データを理解しよう!

(1) 赤血球に関する検査
(2) 白血球数
(3) 血小板数
(4) 肝機能検査
(5) LDL・HDL・総コレステロール
(6) 中性脂肪
(7) 血糖・HbA1c
(8) 尿酸
(9) クレアチニン・尿素窒素

(1) 赤血球に関する検査

赤血球の検査でわかること
「貧血」 と 「貧血の種類」 がわかる。

※ 貧血とは赤血球が乏しく酸素を運ぶ量が減少する病態

<貧血の種類と原因>
◆ 鉄欠乏性貧血:鉄分不足。小さく、色素薄い
◆ 再生不良性貧血:骨髄機能低下で起こる
◆ ビタミンB12欠乏性貧血:胃切除後に起こる
◆ 葉酸欠乏性貧血:妊婦に起こりやすい
◆ 溶血性貧血:肝、脾臓による血球破壊の亢進
◆ 失血性貧血:大けが(急性)、胃潰瘍(慢性)
赤血球の検査でわかること
「多血症(赤血球増多症)」 がわかる。


<多血症の特徴と症状>
◆ 男性に多い。
◆ 頭痛、のぼせ、赤ら顔
◆ 脳梗塞、心筋梗塞(血液が固まりやすい)
基準値
赤血球数(RBC:Red blood cell)
 男性  420〜550 万個/mm3
 女性  350〜450 万個/mm3

ヘモグロビン濃度(Hb)
 男性   13〜17 g/dl
 女性   12〜15 g/dl

ヘマトクリット値(Hct)
 男性   39〜50 %
 女性   36〜45 %

赤血球数 : 血液1mm3中に含まれる赤血球の数
ヘモグロビン : 赤血球に含まれる色素、酸素運搬
ヘマトクリット値とは?
血液全体に占める赤血球の『 容積 』の割合

同じ赤血球数であれば、赤血球の一つひとつが小さいと考える

(2) 白血球に冠する検査

白血球数 : 血液1mm3中に含まれる白血球の数
※ 数は個人差が大きく、運動、入浴、ストレスでも増減する

白血病 : 血球の元になる細胞が異常に増え10万個/mm3を超える事もある

白血球数(WBC:White blood cell)
成人  4,000〜9,000 個/mm3
幼児(5歳以下) 6,000〜11,000 個/mm3
小児(6〜14歳) 6,000〜10,000 個/mm3

(3) 血小板に冠する検査


(4) 肝機能検査


(5) コレステロール

LDL・HDL・総コレステロール
動脈硬化のなり易さ、なりにくさがわかる


LDL : 細胞にコレステロールを運ぶ
    ※ 血液中のLDLが多いと動脈硬化になり易い
HDL : 血液中の余分なコレステロールを肝臓に運ぶ

血中コレステロール
総コレステロール  120〜220 mg/dL
LDL(低比重リポたんぱく)  140 mg/dL 以下
HDL(高比重リポたんぱく)  40 mg/dL 以上

(6) 中性脂肪(トリグリセライド)

中性脂肪でわかること
脂質異常がわかる

※ 肉の脂身、炭水化物の食べ過ぎ、運動不足が原因

中性脂肪(トリグリセライド)
基準値 : 35〜150 mg/dL


中性脂肪が高値
食べ過ぎ、運動不足による肥満、糖尿病、ネフーローゼ症候群、甲状腺機能低下、閉塞性黄疸、食後や飲食後

(7) 血糖値(HbA1c)

糖尿病の診断や経過観察のために実施する
※ 血糖値は、飲食や運動の状態で常に変化しているため、検査のタイミングは同じ空腹時に実施する必要がある。

空腹時血糖値  110 mg/dl未満
HbA1c  4.3〜5.8 %

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)とは?
  • 赤血球のヘモグロビンがブドウ糖と結合している割合を調べるもの
  • 過去1〜2か月間のブドウ糖との結合状態がわかる
  • 値が高いと過去1〜2か月間の血糖が高かったことがわかる

(8) 尿酸


(9) クレアチニン ・ 尿素窒素

クレアチニン・尿素窒素(BUN)でわかること
腎臓の機能(老廃物を排泄できているか)がわかる


クレアチニン(Cr)
男性  1.1 mg/dL 以下
女性  0.8 mg/dL 以下

尿素窒素(BUN)
基準値 : 8〜23 mg/L

クレアチニンとは?
筋肉の中でエネルギーを蓄えているクレアチンが代謝されてできた老廃物

尿素とは?
たんぱく質を分解する過程でできるアンモニア(毒素)を肝臓で処理して無毒化したもの
クレアチニンが高値
腎機能障害(腎不全、腎盂腎炎)、脱水、巨人症、尿路閉塞

クレアチニンが低値
筋ジストロフィ、尿崩症、大量輸血、妊娠

尿素窒素が高値
腎機能障害(腎不全、腎盂腎炎)、脱水、消化管出血、糖尿病、たんぱく質の取りすぎ

尿素窒素が低値
たんぱく質の摂取不足、肝障害

腎機能指標 : BUN/クレアチニン比
腎機能障害  10 以上
腎以外の因子  10 以下

参考文献

血液データでわかること(T)
1)図解入門よくわかる検査数値の基本としくみ
  埼玉医科大学 腎臓内科教授
  鈴木洋通 監修



循環器撮影研究会循環器画像研究会循環器技術研究会循環器研究会循環器撮影技術学会心血管画像研究会循研CITEC

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