●第27回関東甲信越JSIC報告 放射線防護の実態 <間山金太郎>
 <間山金太郎:石心会 狭山病院>2005.10.29 コメディカルシンポジウム 「PCIにおける安全管理」


私たち放射線技師としての安全管理に対する最重要課題は被ばく管理です。

NTT東日本関東病院の塚本さんからその必要性についてお話していただけましたので、私はその実態についてお話させていただきます。

アンケート結果 : 循環器撮影実態調査班 (循環器画像技術研究会)

私の所属している循環器画像技術研究会では平成16年度ワーキンググループとして循環器撮影実態調査班を立ち上げ、全国規模のアンケート調査を行いました。

これは、5年ごとに行っており、平成16年度は1,019施設にアンケート用紙を郵送し、209施設から回答が得られました。

今回は、この結果から放射線防護の実態として心カテ領域における被ばく管理の項目について分析した一部を紹介させていただきます。
内容は、各施設での放射線防護に対する取り組み、そして、被ばく低減を主眼に置いた撮影条件の5年間の推移をご紹介します。

放射線防護に対する取り組み

各施設での被ばく低減への取り組み内容を多い順に挙げてみます。

約半数の施設でここに挙げたような取り組みがなされており被ばく低減に対する努力が分かります。
グラフは検査室内の床置き防護衝立と天井吊り下げ式防護衝立、前垂れの使用割合です。

それぞれ前回より増加しており、スタッフの防護環境が整ってきていることが分かります。
  • スライドにマウスカーソルを乗せると画像が拡大します。
このグラフは各スタッフの被ばく状況について個人被ばく管理などの結果もとに比較したものです。

全体的に被ばく線量は減少傾向にあるといえます。

撮影条件の変化・・・その前に??

  • スライドにマウスカーソルを乗せると画像が変化します。
その前に、今回は他職種の方もおおいようですので、動画がどのように撮影されていて撮影条件がどのように被ばくに影響しているかを簡単に説明させていただきます。

動画といっても、元々は短時間に連続的に撮影された画像の集まりです。

その静止画をパラパラ漫画の要領で連続的に画面に映し出すことで動画として見えるわけです
  • スライドにマウスカーソルを乗せると画像が変化します。
1秒間に何枚の画像を撮影するのかをフレームレートと呼び、図のように1秒に30枚の画像を収集すれば、フレームレート30f/sということになります。

そこで、被ばく低減するために15f/sにすれば、撮影枚数は半分になり被ばく量も単純に半分になるということです。

しかし、当然再生時には滑らかに動かないため、臨床上どの程度フレームレートを落としていいかは充分に検討しなければなりません。
そして、一枚の画像を撮影するためのX線量もしっかり管理しなければなりません。

どれだけのX線量をどのくらいの時間照射するかそのX線量が管電流、そしてX線量を照射している時間をパルス幅と理解してください。

そして、X線量を増やすほど画質は向上するということになります。

撮影条件の変化

これはフレームレートの変化についてのグラフです。

CAGでは15フレーム以下、LVGでは20〜30フレームが主流となり、CAG、LVGともに前回調査に比べ、低フレームレートへ移行してきています。

これは、被ばく低減を意識したものであると考えます。

フレームレートを変えるのは手元のボタンひとつですので各施設でルールを決め、意識さえすれば簡単に出来る方法です。
次に撮影条件についてお話します。

上のグラフはRAO30°、下はLAO60°の撮影管電流の変化を示しています。

管電流の条件設定は高管電流側に移行している傾向が見られ、LAO60では、700mA以上の高管電流撮影が著しく多くなりました。
次にCAG、LVGのパルス幅の変化について示したグラフです。

パルス幅は1画像あたりのX線照射時間です。

今回の調査では、前回、前々回と比較して、CAG、LVGともに6.0msec以上を使用している施設が最も多く、パルス幅は年々長くなる傾向にあります。

これは、線量だけを考えると増加しているということになります。

X線量とパルス幅については、ほとんどが装置の設定によるオート条件のため、私たちが簡単に調節することが出来ず、メーカー立会いのもとで調整し、管理しなければなりません

アンケート結果のまとめ

放射線防護
  • スタッフへの啓蒙活動 → 各施設で行われている
  • 防護具の使用割合 → 増加している
  • スタッフの個人被ばく → 減少している

撮影条件
  • フレームレート(1秒間に撮影する枚数) → 減少
  • 管電流(X線量) → 増加
  • パルス幅(X線照射時間) → 増加
各施設とも目に見えるところから、被ばく管理の意識が浸透してきた。

しかし、見えにくいところ、意識しにくいところでは、X線量の増加が見られる。
シネフィルム時代→フィルムにあわせた撮影条件装置のデジタル化→後処理で画像濃度を適正化できる。
  • 大容量X線管→大線量→S/N比が上がる → 画質が向上
  • 施設の考え方・意識 → 被ばく線量に大きな差が出る。

参考資料 (関東近県25施設の撮影・透視線量実態調査結果)

関東近県の25施設で、PCI時の透視線量を測定した結果を示す。

各施設のPCI時の条件下で、IVR基準点における表面線量である。最小が1分当たり10mGy、最大が100mGyという結果になり、実に10倍の開きがあった。
これは、PCI時の撮影線量の測定結果である。最小が1秒間4.2mGy、最大が20.5mGyであり、その較差は5倍であった。

患者さまの放射線防護は重要で、そのための線管理も重要である。しかし、各施設単独での測定では、自施設の線量が適正な線量なのかの判断は困難である。

多くの施設で、測定することは、自施設の線量を考えるよき指標になると考える。

★平成16年度実施のアンケート結果の全報告はこちら ↓↓

第4回 循環器撮影の実態調査(平成16年実施)の報告




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