「第21回 循環器被ばく低減技術セミナー」 (循研)開催のお知らせ <東京開催> (終了しました)
平成21年9月5日(土)に、循環器画像技術研究会において全国循環器撮影研究会主催「第21回循環器被ばく低減技術セミナー」を開催します。
研究会会員でなくても受講できますので、多くの方々の参加をお待ちしております。 |
●「第21回循環器被ばく低減技術セミナー」開催のお知らせ
主催:全国循環器撮影研究会
開催:循環器画像技術研究会
<共催:JSRT防護分科会・計測分科会>
日 時: 平成21年9月5日(土) 9:20〜17:10(受付は 9:00より)
会 場: NTT東日本 関東病院 4F会議室
東京都品川区東五反田5-9-22
http://www.ntt-east.co.jp/kmc/
受講資格: どなたでも!! (非会員でもOK!)
(放射線技師・看護師・検査技師・CE・医師・学生・メーカー…)
募集人数: 30名(線量測定実習を行うため)
受 講 料: 4,000円(参加費+テキスト代)
申込方法:
申込者多数により8月7日(金)で締め切りました。
ありがとうございました。
備 考: 受講票は8月下旬の郵送を予定しております。
※『日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構』の 2ポイントが付与されます。
※『被ばく線量低減推進施設』の認定には当セミナーの受講が必須となります。
【 プログラム内容 】 進行:坂本 肇(山梨大学医学部附属病院)
9:20- 9:30 開会式
開会の挨拶 全循研会長・循研会長 若松 修
9:30- 9:50 「被ばく線量低減推進施設」認定について
昭和大学藤が丘病院 加藤 京一
9:50-10:20 放射線の人体への影響と症例
千葉県循環器病センター 今関 雅晴
10:20-10:50 X線装置による被ばく低減
榊原記念病院 武田 和也
10:50-11:00 休憩
11:00-11:30 X線防護用具
NTT東日本 関東病院 福地 達夫
11:30-12:30 特別講演 「循環器領域での患者被ばく線量の実態と分析」
東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 生体応用技術科学講座
核医学技術学分野 準教授 千田 浩一 先生
12:30-13:20 昼休み
(昼食は各自でお願いします。食堂・コンビニは院内にあります)
13:20-13:50 品質管理
横浜市立大学附属市民総合医療センター 石川 栄二
13:50-14:30 FPD関連講演 「フラットパネルの管理とその現状について」
昭和大学横浜市北部病院 佐藤 久弥
14:30-14:40 休憩
14:40-15:10 線量測定法
昭和大学横浜市北部病院 武 俊夫
15:10-15:40 線量測定実習の説明
山梨大学医学部附属病院 坂本 肇
15:50-16:20 線量測定の実習
NTT東日本 関東病院 塚本 篤子
埼玉県循環器・呼吸器病センター 田島 修
16:30-17:00 線量測定データの計算、説明 山梨大学医学部附属病院 坂本 肇
17:00-17:10 閉会式 修了証書授与
印象記-1
第21回循環器被ぱく低減技術セミナーに参加して 山梨大学医学部附属病院 椎野 直樹
今回、NTT東日本関東病院にて第21回循環器被ばく低減技術セミナーに参加させていただきました。このセミナーを知ったきっかけは先輩技師のもっていたテキストを見たことでした。IVRに携るようになってから「被ばくは大丈夫でしょうか?」と他のスタッフに聞かれたことがあり、そういった疑問に答える知識や、スタッフが安心して働ける環境づくりのために勉強したいと思いセミナーに参加しました。
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セミナー開始 |
放射線防護の講義 |
講義は放射線の人体における影響や症例、被ばく低減に関するもの、品質管理などとても幅広い内容でした。IVRで起こりうる皮膚障害の話を中心に、放射線が人体に及ぼす影響の閥値や症例を確認することで放射線の恐ろしさを再認識しました。
放射線防護における講義では散乱線の分布図のスライドなどを見ました。他施設における防護用具の使用例のスライドでは、私の施設ではあまり使用していない防護用具を使用しているところもありました。また、患者さんのポジショニングにも一工夫いれることで、放射線障害を回避できうるなど、すぐに実践できる話が多くありました。装置による被ばく低減としては、入射線量を低くし、増加するノイズの影響を和らげるためにエッジエンハンスメントを低くするなどの方法があり、単純に使用する線量を低くしたり、遮蔽したりするのではなく、手技の妨げにならないようにそれを行う必要があるのだと思いました。
また、FPDの品質管理やその現状というテーマでは、それに関する実験データや、SNRの求め方を実際に見せていただき勉強になりました。検出器の経時変化を捉えるために、定期的にデータ収集をして比較を行っていくことが、安定した検査・治療に結びつくことを学びました。
特別講演には循環器領域での患者被ばく線量の実態と分析ということで、ケアグラフというソフトを用いた線量評価の講演をしていただきました。
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特別講演 東北大学 千田先生 |
測定実習開始 |
線量測定では、線量計の説明や空中線量分布図の作成の仕方などの講義と、IVRで特に問題となる皮膚線量の測定方法の講義がありました。講義の後で実際に線量測定を行うことで、より理解を深めることができました。
放射線は現代医療では必要不可欠とされていますが、目には映らず様々な障害を引き起こす危険性もあります。しかしこのセミナーを通して、いかに放射線を目に見える形に変換しコントロールしていくかという、放射線技師としてとても基本的なことを再確認したように感じます。また、講義内容や線量測定法はわかりやすくテキストにまとめられているので、もう一度復習をして、その知識を現場で生かせるように努めていきたいと思い ます。
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測定位置の合わせ方・・・・・・「う〜〜ん」 |
疑問はその場で質問 |
印象記-2
第21回循環器被ぱく低減技術セミナーに参加して 新座志木中央総合病院 駒井 信一
今回、「駒井、被ばく低減セミナーに出ろよ!!」との先輩の優しい一言から、循環器被ばく低減技術セミナーに参加することにしました。循環器画像技術研究会の定例会には、何度か参加しており、参加するだけで力のつく研究会だと感じていました。
今回のセミナーは、放射線被ばくに関する講義、放射線の測定に関する講義と実習があり、さらに最近話題のFPDの基礎的なことまで、多岐にわたり充実した内容でした。実習では、NTT東日本関東病院様の施設をお借りして、実際に講師の方から面積線量計の簡便な使用方法、面積線量値から患者皮膚線量への換算方法を習うなど、貴重な体験を得ました。現場に活かしていきたいと思いました。
IVRにおける放射線による皮膚障害の症例を実際に目の当たりにしてみると、医療被ばくは黙認できない問題と感じました。被ばくという問題が診療放射線技師の独りよがりにならぬよう、画質と被ばくのトレードオフの関係を常に意識し、被ばく低減、放射線防護に努めたいと感じました。
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線量計算中 |
21thセミナー 講師&実行委員 |
実行委員長(山梨大学医学部附属病院) 坂本 肇
今年度(平成21年度)は全国循環器撮影研究会主催の第21回循環器被ばく低減技術セミナーを平成21年9月5日(土曜日)にNTT東日本関東病院にて参加者41名を集め循環器画像技術研究会が開催した。今年度も被ばく低減セミナーの発足から全国展開されるまで重要な役割を担ってきた加藤京一氏(循環器画像技術研究会会長(開催時は副会長)、昭和大学藤が丘病院)、実行委員、事務局の方々、また、共催のJSRT防護分科会・計測分科会の協 力を得てセミナーを行った。本セミナーも回を重ねるごとに受講生が少なくなるのではないかと心配していたが、受講生は募集定員に達し、手慣れた実行委員の運営によりスムーズに開催出来た。受講生の平均年齢は33.7歳と最も仕事を行う上で大切な時期であることからか、大変熱心に講義や実習を受けていた。しかし、全国循環器撮影研究会の会員は7名、循環器画像技術研究会の会員は21名(両者会員は3名)であり、主催である全国循環器撮影研究会への入会率が低く、セミナー等を通じて入会者を増やす努力が必要であると思われた。
セミナーの内容は、テキストを中心とした講義、FPD関連の講義、特別講演、測定実習である。テキストの講義を行った講師の方々は、受講生に理解しやすい説明や解説を行い、必要に応じて自施設での実施例や経験例などを加え、充実した講義が行われた。また、昨年度に引き続き佐藤久弥氏(昭和大学病院)を中心に行っている循環器画像技術研究会FPD班の研究成果である、FPD関連の画質、線量、品質管理などについての特別講義は、内容が仕事に直結しFPD装置評価や管理に役立つと受講生からの評判も高かった。
特別講演は、東北大学大学院医学系研究科の千田浩一先生により循環器領域での患者被ばく総量の現状やPCI時の特徴などについての講義があった。特に、総入射皮膚線量と最大入射皮膚線量との違い、治療血管による被ばく部位の特徴、透視時間と被ばく線量の関係、被ばく線量の低減方法なとについて多くのデータを基に充実した講義が行われた。
測定実習に関しては、インターベンショナル基準点での基準線量の測定方法(透視、撮影時の装置出力線量の測定)、面積線量計の利用方法(面積線量から皮膚線量への変換方法)、装置線量表示値からの皮膚線量への補正方法など短時間であったが有意義に行うことができた。例年のことではあるが時間制限のために、全ての受講生が測定方法や計算方法を理解し、実践できるかについては検討の余地がある。
セミナー受講後の受講生のアンケート結果は、講義内容にほとんどの方が興味を持ち(大変興味が持てた62%、少し興味が持てた38%)、理解を示し(十分理解できた3%、ほほ理解できた74%)、業務に活用できると感じ(かなり活用できる38%、ほぼ活用できる51%)、内容に満足し(十分満足33%、ほぼ満足54%)、測定実習を理解し(十分理解できた26%、ほほ理解できた59%)、測定実習の必要牲については全受講生が必要と考えており、本セミナーの必要性を改めて実感した。しかし、講義の内容が多く進行が早いため理解が難しい点、講義をゆっくり聞き測定実習をゆっくり行いたいとの希望など例年と同様な指摘がなされ、今後のセミナーの充実と継続のために日程や内容などについて再検討・の必要性が示唆された。
最後に、セミナー開催場所および実習の装置や機器の使用を快く承諾頂きました、NTT東日本関東病院若松修氏(開催時技師長、循環器画像技術研究会会長)に深くお礼を申し上げます。また、当日の講師の方々、循環器画像技術研究会の事務局、共催のJSRT防護分科会・計測分科会の関係者(特にご苦労頂いた加藤英幸氏)、テキスト作成などにご尽力された全国循環器撮影研究会のセミナ一関係者の方々にお礼を申し上げます。
循環器撮影研究会≒循環器画像研究会≒循環器技術研究会≒循環器研究会≒循環器撮影技術学会≒心血管画像研究会≒循研≒CITEC
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